奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

町の景色


2014年2月21日

その建物の周囲が森であったら、森の景色に合った建物を建てよう、と思うのは自然の気持ちであるが、どうやら町の中に建てる時には、周囲の景色に逆らったビックリするような建物を造りたいと思う人がいるようだ。ビックリすることが町を活気づけると思っているらしい。その最たるものが東京の「新国立競技場」の当選案である。

壊されようとしている現在の競技場(5万人)は、設計者が大変な苦心をして高さを抑え、明治神宮外苑の景色を守ろうとした。新しい設計(8万人)はその3倍の高さ。今輝いている照明灯の倍の高さ。昨年10月11日のシンポジウムで槙文彦さんは「すぐ横を歩くことになったときどう感じるだろうか」と言われた。全国の「風致地区第1号」として指定された外苑の都市計画は、当選案が決まってから7ケ月後、建築関係者が一人も含まれていない委員会で、制限高さ15mを75mに変更した。総理大臣が「原発は完全にコントロールされている」と言ったので安心してオリンピックにやってきた人達は、みんなビックリすること間違いない。どうビックリするか。

詳細は 神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会 をご覧下さい。