奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

陸前高田

2013年12月30日

12月、いとこが住んでいる陸前高田に3日間行った。見渡す限りの広い広い茶色い土の原野。山の裾は中学生の刈り上げ頭のように樹が伐採され、パワーショベルがあっちにもこっちにも。町の人はみな、見境もなく誰にでも最大級の親切。

もうこのレベルには住む家は作らない、ということが徹底している。これからどのような町が山裾にできるのだろうか。賢くて粘り強い東北の人たちが、子孫に伝える新しい景色はどんなものになるのだろうか。沢山の悲しさを、たくさんの美しさに変えようとしている陸前高田の市民にならば、未来の景色を安心して任せることが出来る、と思った。

あの豊かな7万本の高田松原はあっと言う間に消えたけれど、すでに芽生えている苗を育てる人たちがいる。15mの堤防は作らない。さざ波が打ち寄せる長いカーヴの海岸がいい。ハマナスの花は咲くだろうか。新しい松原もきっと出来る。放射能を心配しなくてもよい散歩道が出来る。