奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

歩く

2012年8月3日

先生は歩く人だった。中学生のときから、中国に行ったり、日本の中でも色々な所に旅行をしたという。くるまの運転は勿論しない。歩くという速度で周りを眺めるのが設計には丁度いいのだ。自転車に乗って走るときと、車で行くときと、電車のとき、たしかに景色が違って見える。飛行機は勿論、スペースシャトルも特別な景色。歩く、は基本。足の裏にはすべてのツボが集まっているから、歩くことによって全身の神経で感じることが出来る。昔は10分や20分あるくのは日常であって、松本でタクシーに乗ろうとしたら「どこに行くの?そんなとこなら歩いて行きなさい」と乗車拒否されたこともあるが、あの地域は歩く人の国なんだと思った。愛知芸大も、あるところまでは車であっても、それから先は「歩く」ということが正しいリズムを体験する大切な勉強なのではないだろうか。