奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで
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影を作る
2012年7月24日
凸凹は彫刻である。先生は建築と言う彫刻を創っていた。室内は内側の彫刻だ。この件の関してはぜひとも彫刻家の方にコメントをお願いしたい。影こそが立体を見せる。ガラスをたくさん使った建築は、光で立体を作ろうとしているが、実は影のほうが位が上である。天井が低いとそれがやり易い。近いところに影があるから、奥行きが見えるようになる。人間の目玉は二つあることによって距離を認識するが、片目で見た方が立体的に見える。影が固定されるからである。木蔭は影と光がお互いに動くからすばらしい。今はないライトさんの帝国ホテルは影が満ち満ちていた。タイルの目地は影の魔術師。フランスでは、歌うようにタイルを貼れる職人さんは建て主から指名されるという。裏に紙が貼ってあってキチンとしか貼れないタイルは気の毒だ。こまかい影も大きな影もリズムを作り、空気の質を変える。面白いなア。