奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

見抜く


2014年5月30日

本当は何を望んでいるのかを見ぬく、ことがだいじである。住宅の設計を依頼されたとき、先生はそれを確かめることに力を注がれた。多くの場合、奥さんは正直で実際的であるが、見栄をはるご主人が、たまにいる。すると、その気持ちをほぐすのが第一だった。「新音楽学部棟は建てるが、そのほかの建物は一切壊さずに直して使う」と愛知芸大の先生は度々おっしゃる。あの場所に音楽学部棟を建てると、すぐそばにオペラも出来るコンサートホールがほしくなる、と言ったのは誰か。今の奏楽堂は全体のボリウムが不足で、残響時間も長すぎ、使い物にならない、と言ったのは誰か。天井が低い音楽の練習室はほかの何かに転用することも出来ない、と言ったのは誰か。ここで「見抜く」能力が要求されるのである。こころを平静に保ち、知恵を働かせて「見抜く」技術を高めたい。