奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで
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見える山
2013年10月15日
吉村設計事務所に勤務することになったある人物が山形から奥さんを呼び寄せた。半年ほど経って「東京の生活はいかが」と奥さんにきくと「山、見てエ」と言う。そういえば東京ではよく晴れた日に高いところに登ったりしなければはるかに遠い山を見ることが出来ない。先日、大阪に行って泊まったら、ずいぶん近くに山があるなアとびっくりした。山が見える、ということがこんなに落ち着くものか、と気が付いた。
山は、人間と自然のスケールを感じる物差しだったのだ。そして建物は更に人間にやさしさを感じさせる物差しだ。
10月6日、名古屋で篠田望さんの「なぜ日本の建築は壊されるのか」というお話を聞くチャンスに恵まれた。イタリアでは残すことが当たり前であること。形は心の声を伝える。人が、やさしさを大切にするなら、おのずから建物は残る、というよいお話であった。