奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

ハーモニー

2013年5月10日

音楽は楽しい。沢山の人が一緒に楽しむ。演奏者も、聴く人も、同じ空間で同じ時間を過ごす。いろんな気持ちが生まれる。建物も楽器である。どんな響きが生まれるか、と考えながら設計する。設計者も演奏に参加しているのだ。吉村先生は奥様がヴァイオリニストであったからばかりでなく、御自分もピアノを弾かれ、友人と室内楽を楽しまれた。室内にどのように響くか、それがどのように感じられるか、御自分でたしかめておられた。音楽の空間を設計するのは楽しい。愛知芸大の奏楽堂と八ヶ岳音楽堂と、草津の音楽堂が先生の設計であるが、それぞれが特徴ある音響的効果をもっている。専門家の間では、いろいろな感想が聞かれる。それぞれの楽器の持つ個性と同じようにそれぞれの建物に音響的な個性がある。それを楽しむのが音楽と建物とのハーモニーである。

完成が近い新音楽学部棟とオオウラジロノキ/2013.05