奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで
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壊すものを作る意味
2013年1月23日
日本で始めてのことが実行される。熊本県の荒瀬ダムが5年半88億円かけて撤去される。この15年間騒音と振動に悩まされてきたが、なくなれば嬉しいという住民の声があった。このダムが出来たのは1955年。40年間溜まりに溜まった砂利を工事に使える砕石に加工する騒音と振動だったのだろう。ダム湖は20年で砂利溜めになるということは土木の常識。解っていてなぜダムを作るのかといえば「お金が動く」からである。木曽のみたけ村の大島ダムも同様の運命であるが、単価が合わなくて砕石生産もやめている。建築にも同じようなことがある。吉村先生に意見を聞けばきっとこう言うと思う。「そういうことにならないように、よく考えてやってくれよ」と。
新音楽学部棟建設工事現場/2012.12