奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

感覚

2013年1月15日

中村雄二郎は「感性の覚醒」において、レヴィ・ストロースは「パンセ・ド・ナチュール」において解析している、その感性とはなにか。奥村昭雄が2012年12月27日の朝、あっけなくこの世を去ったそのときに、わかったこと。この人は大切な人だ、という理解を抜きにして生化学的あるいは生理学的に反応する生物としての私がそこにあった。娘に「なんだかおかしい」と告げたあと、アドレナリンが膵臓から分泌して、毛細血管が収縮し、お手洗いに行きたくなった。いつもならいろんなことが起こっても娘を呼びにはゆかないのに、その日に限ってスッと呼びに行った。超高速で心肺停止になり、救急車、警察。献体と進み、「おかしい」から「見送り」まで11時間であった。超高速である。そこには、「思う」とか「考える」とかいう要素は無い。これが「感覚」なのだ、とわかった。「吉村先生、感覚というものが解りました」と報告したい。