奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

外国からきたお客さんにおみやげとして提灯を上げたいんだけど君、探してきてくれないか、とか、ホテルのロビーに置くプラントボックスに入れるのはどんな植木鉢がいいかね、とか、地袋のふすまに貼るいいものはないかな、などと先生が言う。しめた、探しに行こう、と出かける。職業別の電話帳が活躍する。提灯屋さんは三軒目によい店があって「二」と太い字で書いてもらった。植木鉢は昔から植木屋さんの多い街に何軒もあって教えてもらいながら選んだ。地袋用の布は色町のお姐さんが足袋に使う江戸小紋がぴったりだった。三枚の羽根を拾った少年が、王様から出された難題を次々と解決する話を読んだ方もあるだろう。難題は新しいものを発見するためにある。面白い。先生は所員を面白がらせる名人だった。

三枚の羽根

2012年6月11日