奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

小さな空間


2014年10月07日

書斎を計画すると、主の性格がはっきりわかる。ある人は、高い天井、聳える本棚、梯子にのって本を探すような書庫があって、その一隅に小さなデスクがあるのがいいと言う。またある人は四方が囲まれて背後の空間を感じないような穴倉がいい、という。またある人は本が山積みになった大きなデスクが必要。正岡子規は号を獺祭というからには、周りの畳に思う存分散らかしていたに違いない。しかし、人間の生物としての本能は、狭い空間に安心を見出すのではないだろうか。方丈記・二帖台目の茶室・ツリーハウス。縄文時代の家・エスキモーの氷の部屋、みんないかにも安心な落ち着いた雰囲気である。

その逆に、大きな空間は「荘厳」であり、心をのびのびと広げ、思いを宇宙に馳せる。人はみな大きな空間を欲する。大自然が包み込んでくれる安心もまた必要なのだ。