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事務所の壁に吉村おやじの写真が貼ってある。奥村昭雄が12月27日に亡くなり、その写真のある棚の横に貼ってある。昭雄はおやじに睨まれているようで一寸可哀そうなので、すぐ脇におふくろ（人形作家市橋とし子）の写真を置いた。「お母さん、助けてｴ」と言っているようだ。4月2日に、630人もの先輩と友人が集まってくださって故人ゆかりの自由学園明日館で「思い出す会」をしてくださり、数えきれない感謝に包まれた3時間であった。帰ってきてみると、おやじの写真が、笑っている。

古寺に赴き、そこにある仏像の顔をじっと見ていると、かならず仏像はなにか言っている。「君はよく考えて楽しく生きているかい」「困ったときは歌を歌いなさい」などと言っている。うん、そうか。と思う。おやじの写真も笑いながら言っている。「みんなが来てくれて、楽しくてよかったね」と。