第1回全学生対象愛知県立芸術大学施設整備説明会 議事録

2011/02/02

第1回全学生対象愛知県立芸術大学施設整備説明会 

2011年2月2日(水)18:00~20:00 

主宰:芸術教育・学生支援センター

場所:新講義棟大講義室 

出席者

大学:磯見学長、長谷教授、戸山教授、寺井教授、山本教授、細川教授、福本教授、水津准教授、白河准教授、掛谷准教授、

学生:およそ35名


細川教授:

皆さんこんばんは。授業が終わってお疲れだと思うが、集まっていただいてありがとうございます。

今日は最近の大学の施設整備について皆さんにもう少し説明をしたいと言うことでこういう会を設けた。いろんなメディア等でいろんな報道がされている。そこでやはり、ここでしっかり理解を深めていただいて、ほんとにどういうことか、ビジョン検討委員会でどんな話がされているのかということを、理解していただけたらと思う。

私はここの卒業生です。そして、芸術教育学生支援センター長ということで、四年間やってきた。その中で、学生との信頼関係を築くというのが大きなテーマだった。そういうことからも、是非説明会の後、腹を割って話をしていただければいいと思っている。

それでは、先日このような冊子(リーフレット)を大学のほうで作った、内容はシンプルなものだが、それについてもう少し説明させていただいて、大学のほうの真意を皆さんに聞いていただきたいと、そういうことである。それでは順次、これ以外の資料もお見せするので、いろいろと勉強していただけたらと思う。


水津准教授:

デザイン専攻の水津です。施設整備委員をやっております。

今日は施設整備の皆さんの疑問に思っていることや質問があると多々聞いている。そういうことをお互いに話し合うような場があまりなかったこと、それから最近特にいろんな事態があり、教員側も若干焦っており、急にこういう場を作ろうと言う話になったので、学生から性急すぎるとお叱りを受けるようなこともあった。何度でもこのような機会は持てばよいと思うし、お互い納得した上でことが進むのが大学らしい本来の姿かなと思うので、今日は、一番最初は投げかけですので、僕のほうから皆さんこういうことを疑問に思っているであろうと想定したテーマ設定をした。メインはあくまでも今行なわれている施設整備ビジョン検討会の内容を説明することなのだが、それに付随したいろいろな施設整備の問題についても少し触れたいと思っている。僕は美術の人間ですので、音楽の施設整備の先生もいらっしゃってますので、音楽のほうは音楽の先生から説明があるかもしれませんのでよろしくお願いします。

(スクリーンをバックに)今日はパワーポイントを用意した。施設整備のたくさんの問題、テーマがあるので、ざっとどういったことがあるのかということをお示しして、多分皆さんのご質問が多岐にわたるかもしれないので、少しキャッチボールをしたいので、僕のほうからもこういった資料を作った。まずそれを観ていただきたいなと思う。

今日は、学生からよく聞かれる質問を思い起こすと大体8つくらいあるかなと並べて、それに解説するような形でキャッチボールが出来たらと思う。


テーマ

1、愛知芸大が建て替わるという話は本当か?

2、新音楽棟(今実施設計がされているが)を建てる必要性はどんな所から生じたのか?

3、新音楽棟が建つ場所はどのように決まったのか?

4、なぜ新しい女子寮が必要だったのか?

5、旧女子寮はなぜ取り壊されるのか?

6、「他人の絵に筆を入れる」ことが許されるのか?

7、自然環境を破壊することにはならないのか?

8、なぜ施設整備の内容は学生に届かないのか、なぜ学生の意見は反映されないのか?



メインは1かと思っているが、他にもあるだろうと思うので考えていきたいと思う。

まず1について、「建て替え」という言葉が独り歩きしており、テレビでも講義棟にパワーショベルが重なるような絵がでていて、全部無くなり全く新しいものになってしまうのではないかというイメージが流れている。外で人と会うたびに県芸建て替わるそうですねと聞かれるが、そんなことはないと言っている。今ビジョン検討会と言う会議が開かれており、この大学の建物を一つ一つどうするかという問題以前に全体、この吉村順三先生のある意味では作品であり、近代建築の遺産的なキャンパスをどういじっていくといいのかという大きな問題を今後どう扱っていけば良いのかということを、個別の問題ではなく全体の問題、ビジョンとして、将来の考え方をまず持たねばいけない。そういったことからビジョン検討会をやろうということになった。その基本的な流れとしては、大部分の建築は改修によって存続させる。そして、当然機能が足りなくなったり構造的に問題があったり、そういったところは手を入れなければならないし、面積が足りないと言うものに関しては、増築をしたり新築をしたりして追加をしていく。基本的には今のものを大事にしながらその外側に新たに少しずつ増やしていくイメージになる。こういった内容を、大学からは学長、両学部長、各センター長、音楽・美術の施設整備委員(福本教授、水津准教授)、法人の方、有識者として、原設計者、東大名誉教授、名古屋大学教授、日本建築学会当会支部代表、DOCOMOMO Japanの方、両学部同窓会長、後援会長、自治会委員長。かなり広範囲でかつ専門性の高い方々、建築の価値をどう扱っていけば良いのかというかなり難しい問題が含まれているので、こういう有識者に参加していただいて検討する。ここは元々愛知県の学校であるし、整備にお金を出すのは愛知県なので、そこからも代表が出ている。こういう面々でビジョン検討会と言うものが大体月一ペースで行なわれている。そこで今年度中に一つの考えをまとめるという形で進んでいる。

ではこれまでどういう形で進めていってるのかということを、三つのステップで書いてあるが(スクリーン)、ひとつは、キャンパスを評価しなければいけない、評価と言うのは、建築的価値なのか、ランドスケープ的価値なのか、文化的価値なのか、と様々に専門性が多岐にわたればそれぞれの評価がある。だからこのキャンパスをどのように評価をし、そしてその評価に基づいた、建築だから中に生活があり当然いろんなものが変化をし、何か手を入れなければならないが、その時やり方をどうしたらいいのかということを、まず判断しなければならない。

二つ目は、その評価に基づいて今後考えられるいろんな変化をどうやって受け入れたら良いのかと言う方針を決める。

三つ目はその方針を基に、それが具体的にどの範囲で行なわれるか、そういったことをビジョン検討会ではまとめていけたらいいと思う。

そしてこれを基に、今後の施設整備、ここの建物の検討、あるいは設計をやったり、修繕をやる場合も、それを大事にしたやり方で選んでいき、そこを基本としてはっきりさせていかなければいけない、と言うことをやっている。

評価と言うことだが、建築の専門の方がたくさんいらっしゃるので、最初に個別に建物の評価をして欲しいと持ちかけたら、個別の評価の前に、キャンパス全体が吉村順三の作品でもあるとのことで、全体と言うものの評価があるのではないか、その全体と言うものをどのように評価していけばいいのかということを話し合った。(資料を手に)これは1971年の『SD』という建築専門誌で、愛知芸大が建ったとき、これは吉村順三先生の大プロジェクトだったので、それを記念して特集号が組まれ、その中にどのようなことを考え、どういう問題があり、どういう構想があったのかということがたくさん書かれている。当時の写真、言葉、設計図書が含まれた試料である。一応設計者本人が書いた、残っている文献ではこれが最も信頼すべきものだが、これをベースにして、どういうことを考えながらこの建物を構成していったのかと言う設計上のキーワードを洗い出すという作業を行なった。

(スクリーンに表、文章、図を映していく)こういう表を作って、キーワードを、具体的にどこの空間のことを言っているのかということを分析しながら、このように考えていったと。キーワードを抜き出し、それぞれの関係性を名古屋大学、DOCOMOMO Japanの先生に表にしてもらったが、このような相関関係になっている。これは専門的な内容なので説明は出来ないが、こういった設計者の意図を分析していく形を一方で取った。それに対して、この黒い部分が現在の建物、この建物に対する評価というのは必ずしも過去の設計者の意図がどうであったかだけではなくて、現在の我々にとってどのような意味があるのかも重要な評価軸ということが、ビジョン検討会の先生方から出た意見としてあった。今のキーワードと設計意図に基づいた分析といったものをここに重ねながら、我々としては最終的にそれをどのように評価していくのかということをやってみようということである。先ほどは言葉と図面、写真でしたけども、それを平面図に落とし込んでみたのがこれ。一番大事だといわれているのが中央の広場、青い線で囲われている部分。ここがキャンパスの肝になってる。この中央広場を構成する建物郡がというのがあって、この広場からいろんな方向に眺望が開けており、あるいはキャンパスを貫く軸線といったものが中央の広場を中心に展開している。なので、まず中央の広場が最も重要なエリアであると、そしてこちらが中央広場を構成している建物である。ということは結果的にこの中央広場を形成している建物群は心臓部を司っている重要なものということになる。それから緑色に塗ってあるところが『間の空間』、このキーワードは吉村先生たちの言葉なので、造語として、直訳すると良くわからない部分をあるのだが、建物と建物の間の、あるボリュームの空間、そういった隙間のような空間、建物がポジならネガの空間をうまく繋ぎながら、キャンパスは空間構成されている。なので『間の空間』は非常に重要であると書いてあった。それを我々も重視しまして、基本となる『間の空間』はどのようになっているのかということを、さきほどの広場だけではなく、周辺に連続する間の空間がどのように繋がっているのかそういった検討をした。そうしながらこの建築群の最も評価すべきポイントが何であったかと言うことを作り出していくのだが、今色の塗ってある建物、濃い色とベージュと分けてあるが、基本的には今ある建物は、それを大事になるべく壊さないで、補強しながら、あるいは改善しながらそれを使って行こうではないか、どうしてもそれでは足りない、面積が足りない、新しい機能が必要で、それが今の建物では難しい、あるいは今の建物の用途が非常に高度化し、建物の中に納まらなくなるといった事態が起きたとき、今ある建物の外に、新しい建物を求めたり、増築したりしなければいけない、拡張していかないといけなくなる事態が予測される。そのときにどういう方向に拡張していって良いのかと言う考え方が必要になってくるが、先ほど言ったように中心の広場が重要である。そこに出張ってくるような拡張はやめよう、間の空間の属性も重要なのでそれにも配慮した拡張の仕方をしましょうということ。基本的にはピンクの線で書いたところが最も今の建物に近いエクステンションエリアとして考えられるのではないかと言うことで、この建物になるべく大きな変化を与えず必要な機能が満たされるように周辺の用地を認めながら計画を順次やってはどうかというのが、検討会の中で、評価と、起こるであろう変化に対する対応の仕方、もしくはエリアというものをまとめつつある。

これがビジョン検討会でやったことだが、今日は施設整備についてなので、その話も少ししなければいけないと思って用意した。(スクリーン)以下はそういう疑問である。まず最初に新しい音楽棟だが、先ほど検討会の内容で説明したように、改修で対応すればいいではないかと思うのだが、新築になったのはなぜかについて考えていこうと思う。

音楽学部棟の問題はかなり以前から音楽の先生方、卒業生、いろんな方から問題があると指摘され続けていた。いろんな問題はあるが、大概は建築であるから修繕をして、メンテナンスをすればある程度は復帰するし、解決もするが、非常に致命的な問題が出てきた。一つは遮音性の問題。遮音性も例えば壁に吸音材をつけて音を緩和するが、コンクリートの壁や床を今よりも厚くすれば、音の伝導率は相当下がる。そういった対処で遮音性は対応できるが、もう一つの問題は部屋の容積が足りないということ。部屋の容積は、例えば部屋が狭いのであれば隣の部屋との壁を取り払って、部屋を大きくすればあるいは解決するかもしれないが、この場合容積というのがどういうことかというと、横だけではなく高さも必要であると、つまり優れた音楽教育をするうえで必要な空間ボリュームを考えた場合、今の建物は天井が低すぎる。聞いたかもしれないがヴァイオリンを弾いてフィニッシュしたときに弓が天井に当たってしまうという、それは言語道断であるとお叱りを受けた。

この問題は遮音性を上げようと思えば、部屋は狭くなる方向にしか行かない、部屋自体は容積をもっと増やさなければいけない。この問題があり、今の音楽棟の構造の中でこの両方を解決するのが非常に難しいことが分かってきた。

検討会の中でもいろんなアイデアがあった。先ほども言ったように横に部屋をぶち抜いてそれでも足りないものは奥のほうに増築すればいいというアイデアもあったが、高さ方向の問題を解決していない。それに今の場所で工事を始めると、工事の間学生や教員はどこかに移動しなければならない。そうすると仮設の校舎をどこかに作らなければいけない。それだけで何億円もかかってしまう。そんなにお金をかけて、決して十分とは言えない整備しか出来ないという事態はあまり現実的ではないという考えになった。しかも、これを検討している段階ではビジョン検討会は無かったので、全体のマスタープランはどうすればいいのか、吉村建築をどうさわっていいのかということもまだ何も決まっていない段階だった。なので、仮に改修するにしても、そこらへんがやはり問題になってくる。非常に時間がかかる可能性もある。一つの案だったが、最良の方法は、今の建物にはさわらないで、新築でこの問題を解決しようと、そうすると音楽の学生が抜けて、今の音楽学部棟は空き家になる。今後いろんな建物が工事をするとき一時退避する場所として使ったり、つまり用途を変更する。今の音楽の教育の場としては難しいのであれば、別の目的に使いながら今後どうしていくか考える時間を得るのも一つの方法ではないか、ということで、いずれにしろどこかの工事のときに新たな空間を仮住まいとして何億円もかけて作るのではなく、今後の施設整備のバッファーとして使っていけばいいのではないか。これが、最終的に音楽棟が新築になるということの手がかりになった。実際には県の人も見に来て、音楽の教育の場としてはあまりにひどい、情けないといった。これは緊急に対処しなければいけないということで、計画論的にいえばやはりマスタープランがあって、それを継続するのがやはり筋だが、これに関しては教育上の被害が甚大であるという状況があったので、今の場所で改修をやるよりは新築でやることによって、教育上のリスクも最小限に抑えられるし、建物も変な改修をされずにすむということで、最も合理的な解決だったのではないかというふうに思っている。以上より、新しい音楽学部棟が(奏楽堂横の)谷の反対側に建つ運びになった。

次になぜ新音楽棟を立てる場所があそこなのか、あそこには外国人レジデンス用の建物がある。それを避けることは出来なかったのかというのが疑問かと思う。新音楽棟の建設場所の議論をするのに最も重要なことは何かというと、コンサートホールとの距離関係である。コンサートホールとは奏楽堂のこと。距離関係が大事なのは、音楽では、日常的に練習室などから楽器を持って行き来しなければならない、仲には大きく、重い楽器もある。そのため、学生がどのようにコンサートホールまで楽器を持って移動するかと言うのが大変な問題である。階段も多く危険だと指摘され続けている。なので、近いと言うのはとても重要なこと。そしてある程度まとまった音楽のための建物を建てる用地はどこにあるのかと考えたときに、(スクリーン)現音楽棟の南側にも少し土地があるが、急斜面になっているし、増築するくらいのスペースしかない。ここには博士棟がある、法隆寺の北やグリーンロードまで県芸の土地なので、そこに建てたらどうかという案もあった。しかし遠すぎて行き来が困難で、美術のほうにある土地も同じで楽器を持って移動するのは考えられない。なので、基本的には今の管理等の横のスペース、外人公舎がある場所に建て、谷にブリッジを設け、アクセスできるような形にしてはどうか、と言うのがいろいろな案を模索した結果、これだけのボリュームの施設を置ける場所はそこしかないだろうということになった。外人公舎は大変残念だが、今のところ壊される予定になっている。これは余談だか、今の陶磁専攻は途中から出来たのだが、これを作るとき吉村先生のところに関わっている建築の方に建てていただいた、このとき官舎が4つあったのだが、それを壊して建てたという経緯がある。当時もはっきりとしたビジョン構想、マスタープランといったものは特に無かった。周辺のものを取り崩しながら必要なものを作っていったという経緯もあったので、今回も仕方なかろうということで、進めることになった。ちなみに外人公舎はこのようなお洒落な建物だが、現在は使われていない。

次は疑問の4つ目、なぜ新しい女子寮が必要だったのか。

きっかけは愛知県の所有するすべての福利厚生施設が全面廃止になったことである。理由は愛知県の財政難であり、その対応策の一環。本学で対象になったのは教職員住宅と女子寮である。しかし、音楽大学として、練習室があり、学生の6割が県外から来る、安心して学生をやれる女子寮があるということはきわめて重要である。これがなくなると倍率が下がり優秀な人材の確保が難しくなり、大学のレベルも下がっていくという、大学のほう、特に音楽の方では非常に危機感を覚えた。女子寮は福利厚生施設ではないと猛抗議したが、しかしながらその結論は覆ることは無かった。その結果、女子寮の建物を保存する以前に、女子寮という機能が失われることが大変な問題であって、それをどのように存続させられるかと言うのが我々に課せられた課題であり、当然県は福利厚生施設だと言っている以上、改修するための費用は出すとは思えない。お金の無い大学が自腹でどうやって施設を修復し、維持管理をしていくのかに直面した。そこで、法人化された後だったので、民間に土地を貸し、建設費は持っていただいて、我々はそこに入って家賃を払うと言うシステムで、大学としてはイニシャルコストがかからず、女子寮というシステムを維持できる、当時は唯一の方法だった。これにより、愛知芸大の女子寮というシステムを、途切れることなく維持することが出来た。(スクリーン)今見ていただいているのが新女子寮である。非常に清潔で、明るい。そして一人当たりの空間が広くなっている。前の女子寮は2人部屋と4人部屋が基本になっているが、基本全室が個室になっていて、トイレ、バス、キッチンが全てついている。今日的な生活スタイルに合った女子寮を作ることが出来た。そういうことで、女子寮というシステムは大学にとって重要であり、この方法で存続させる以外になかった。

次に旧女子寮はどうなるのか、と言うことになる。

当時は女子寮の存続そのものが問題であった。建物の価値やそれをどうしようかと言う話はその中では語られることは無かった。新女子寮が建って、旧女子寮の建物はどうするかと言う話が当然出てきた。すでに我々が新しい女子寮を手に入れた時点で、あの建物は県の所有する財産になった。すでに機能は失っているので、それをどうするかは県が判断することになるわけだが、それでも例えば、この建物は何かに使えないかという用途変更の話も教員から出たりもした。例えば、テートモダンは発電所を改修して美術館にしたもので、こういった例もあり、別のもの、美術館のように、あるいはギャラリーのようにはできないかといった案は一旦は出た。しかし、問題は面積で、大学は自由に新しい建物を建てられるわけではない。理由のはっきりした、根拠ある面積が決められている。だから新しい面積が必要なとき、これがなくてはならないと我々が訴えて、認められ、初めて面積が増えていくのだが、今あるから利用しようと作った場合、例えば美術館にしようとする場合、今後、今の資料館を充実させていこうといった時、すでに面積としてはこの女子寮でギャラリーを食っているとなると、総面積量は変えないで、その建物を一部食いながら、その建物を利用しなければいけない。つまり、何かをあきらめて、代わりに女子寮を再利用することを選択しなければいけない。そのことが分かった時点で、いろんな案はあったが、それでもいいからあそこをこんな計画で使いたい、という意見はなかった。そういったことで我々がなかなか主張が出来ない間に、県は女子寮を解体することを予算化し、それが議会を通ったと言うことで、女子寮の解体は決まった。なので、大学としては存続することに対して訴えるようなポイントが無い。現時点では大学がやれることは特に無い、という状況にある。

疑問の6。吉村順三の作品としてのキャンパスというのがある。これは誰が見てもそうである。文化的業績であり、作品だと考えて差し支えないと僕もそう思う。ただし、作品だから作者以外の人が手を入れてはならんというのは少し違うのではないかと言うのが我々の考えである。なぜならこれは建築である、建築というのは人が安全に楽しく暮らす場所と言うことが重要である。これはローマ時代から言われている建築の定義である。当然人が暮らしていれば、時の流れと共にいろいろな変化が訪れる。それはライフスタイルの変化かもしれない、設備的な変化かもしれない。その様々な変化が建築を多様なものにしていく。最初に作られたものから、後から来たものが複雑にしていくのだが、それによって建築の表情も多様になっていく。そういうことが起こる。これは、この大学の一戸の建築ではなく建築群としての話を当然している。一つの町みたいなもの。町であればなおさら常に変化していくことを我々は受け入れていかなければならない。だから当然守ると言う姿勢も出てくるが、守りながら変化も受け入れるという二つの姿勢が無いと、時間が凍結した、博物館のようにしなければいけないことになる。

これは概念的な話になるが、グランルーブルのガラスのピラミッドを作ったとき、ものすごい反論があった。今でもあるかもしれない。当然、グランルーブルの後ろにある古い様式に相応しい入口を現代なら作ることが出来る。だけど、それにどれだけの意味があるのか、現代に作るのに永遠に過去の様式に縛られ続けて建築家が新しいものを作ることが出来ない。我々新しい時代の人間としては足かせになるし、同時にそこに新しいものと古いものが出会いながら、そこに多様性が生まれて、それによって古いものはより古いものの価値を認め、新しいものはより新しいものの価値を認める、そうやってお互いに高めあうことのほうがむしろ健全ではないか。新しいものが古いものの偽装をするというのはとても不健全な気がする。

左側は元々駅舎だったものを美術館にしたオルセー美術館である。これは愛知県の西尾市にある岩瀬文庫と言う様式的な建物である。それが保存され、その周りに近代的な建物が取り囲んでいる。やはり時代の大きさというもの、それが表現の差分といって、自分というものを表現しつつ、融合していく。そういうものに新しい可能性を感じる。こういったように都市とか建築はいろんなものが重なり合いながら魅力や豊かさを獲得してきている。世界遺産も、誰かによって計画された町よりも、偶発的に出来た街のほうが多い。すばらしい、魅力的だといわれる町は、必ずしも、一人の人間の一つの秩序だけでできているというよりは、長い時間の中で折り重なってきたものが評価されていることが多い。だからと言って過去をリスペクトしなくていいということではなくて、そこには折り重なっていきながら成熟していく、そういった見方が良いのではないかと思う。

次のテーマに移る。疑問の7は、自然である。この愛知芸大のキャンパスには、たくさんの非常に貴重な自然があるといわれている。自分も実際に歩いて、シラタマホシクサやトウカイコモウセンゴケといったものがあることも知っている。この辺の山は平安時代頃から焼き物のために、何度も伐採され禿山になっている。表面の土が流れて非常に貧しい山だったのが、またそこに松や羊歯が生えて、大きくなってきたときにまた伐採される、そういうことが何度も繰り返されている。二次林といわれる森である。二次林だから価値が無いということではなく、人為的な理由もあるが、現在の森は安定した状態ではない。遷移といって、次の状態に移行しつつある過渡期の状態である。皆さん自然と言うと安定した状態の森のイメージを持つかもしれないが、まだまだこの先いろいろな形に変化していく可能性がある。そして、建設行為によって破壊することになるのか、これは全ての建設行為は何らかの自然に対するダメージがある。これは現在の建物と、地形を表す絵になっているが、基本的には二つの谷に挟まれた尾根に我々の愛知芸大は建っている。その尾根には当然たくさんの植物が在り、森があると、そして谷にはこの辺特有の湿地がある。当然最初の段階も、かなりの伐採と、造成、湿地を埋め立ててグラウンドを作るといった行為があった。ただし今は、どのようなダメージが予測されるかと、あるいはダメージがあるとわかったときにどう対処をすればいいのか。そういったことがとても大事になる。もう貴方生きるのやめなさいと言うことは、人間なかなか出来ないので、新しいものを建てたりと、そういったことが必要になってくる場合がある。ですがそのときにどうすれば新しいものを建ててもダメージが少なくて済むのか、あるいは絶滅しそうな植物があった場合にも、それをどうしたらいいのかが具体的に分かれば、安心してそれを行なうことができる訳である。それが分からないと、常にそれを恐れていかなければいけないし、何も出来なくなってしまう。ですから知るということはとても大事なことになる。

ところが我々のこのキャンパスは、これまで一度もきちんとした植生調査、そういったことが行なわれてこなかった。なので、貴重な植物が見られるが、それがどういう状況の中であるのかがわからない。植物だけしかわからない。生態学といった、その植物だけではなくて、他の植物との関係で成り立っているので、その全体像がわからないと対処も出来ない。(スクリーン)これは見えにくいのでやめておく。ごく普通にある植物でも、生態的には一体となっているかもしれない、一つの種だけが貴重なのではなく、この全体がないと、その種もまた生きていくことが出来ない、そういう関係がある。こういう理解をしていきながら見ていかないと、ある特定の種だけを守るのは、例えば蛍が好きだから蛍だけいればいいというのは科学的な態度ではなくて、とてもセンチメンタルな発想である。それを避けるために、まずは調査をし、どういうことになっているのかを理解した上で、次の我々の行動の基準にしようと言うのが必要になってくる。今言ったように植物が基本だが、植物がどういう群として存在しているか調べてそれをこういう風にマップにして、生息域のだいたいの全体像がつかめてくる。実は今年も、この調査の下準備と言うか、先ほども少し航空写真を見せたが、あれには常緑樹と落葉樹が写っているが、まずはどういう植生が大まかな区分としてあるのか、そういったことを調べる調査を今年度中にやる、今やっている。来年度はそれをベースにして、もっと細かな、どんな植物がそこに発現してくるのかといったことを調べる調査をやろうとしている。それをやることによって、今後のこの緑地に対する我々の扱い方というのが考えることが出来るようになる。先ほどのビジョン検討会で、今の建物がどういう風に、どういう意図で建てられて、何が評価すべきことなのかが分かることによって扱い方が分かると言うのと同じである。

ちなみに新音楽棟が建つあたりにサギソウがあったというのを何かの資料で読んだ覚えがあり、そのことを自然破壊の一つの理由に挙げている話を聞いたことがある。これは愛知県のレッドデータブックという希少種を扱う資料の一部だが、左側がサギソウを扱うページになっている。サギソウが見られるエリアは愛知県の中でもかなり広域である。サギソウが少なくなっている理由というのは、ほとんどが開発によるものではなくて、園芸が趣味の人が持っていってしまうのというのがサギソウが絶滅に瀕している最大の理由だそうである。実際は園芸ものとして生産も出来るものらしいが、にもかかわらず、趣味の人が見つけたらみんな持っていってしまう、それを県としては危惧している。そういう植物である。サギソウは湿地のかなり明るいところに育つものなので、昔はこの斜面も木が低くて明るかったと思うが、今は林床がかなり暗い状態なので、サギソウもひょっとしたらもうないかもしれない、これは調べてみる価値はあるが、あったとしても、移植の簡単な植物なので、安全で適した環境に移植して、その種が減らないようにするのも可能である。そのためにも現状を知る知識が必要であるということがいえる。

次に疑問の8、これは特に資料は無いが、施設整備の内容がなかなか学生に届かないということが問題であると言われている。自分も出来ることなら早く言いたいと思う。だがなかなか言えない状況もある。施設整備というのは、考えているだけならいいが、実際建物を建てたり修繕したりするには、お金が当然必要になってくる、我々が要求して県がやってくれるわけだが、県がいいよと言ってくれないと事は始まらない。いいよといわれ、それを予算化し、議会を通ると初めて、県民の税金をそのために使ってもいいよということになる。そうしてからでないと具体的には何も言えない。ひょっとしたら無いかもしれない話を皆さんにすることになるかもしれない。そんなことはできないので、大体において、そういった決定をして初めて話が出来る状態になることがほとんどである。ということで、若干、やはり話すのが遅れてしまうと言うことがある。ただ具体的にやるぞということになったら、今度は当然そこで生活されてるのはみなさん、ユーザーは主に学生や教員で、ユーザーからの言うことを聞くというのは設計の基本なので、皆さんの意見を聞きながら、設計をしていくことになる。

ちなみに新音楽棟の、実施設計がほぼまとまりそうだが、この実施設計の段階では音楽学部の学生、院生の意見はかなり聞いた。いろんな専攻の方に来ていただき、楽器や歌などいろいろ個性があるので、大学をどのように使っているか様々な意見があった。それを聞きながらいろんなことを決めていった。例えば、レッスン室は狭くてもいいから数が多いほうがいいのか、あるいは数は少なくてもいいから広いほうがいいのか。こういった問題はやはり設計者は専門ではないので決められない。先生に相談しても、学生はどういってるかな、となる。一番使っているのは学生なので、そこでいろいろ質問しながら適切な量と数を決めていった。あるいは通りをどうするか、あるいは廊下のようなところで学生はどんな生活をしてるのか、普段どこで勉強しているのか、今出来ている建物があるのでその中で行なわれていることは具体的に聞くことが出来る。これがまったくの新築、何も無いところから始めるとそれもできないが、すでに大学として運営していて生活が具体的にあるので、それをいろいろ聞いて実施設計に結び付けていった経緯がある。なので、設計に入れば当然、美術のほうも皆さんの意見を聞きながら、それを設計に結び付けていくことをやらないと、設計はできない。タイミングの問題というのがあるが、学生を無視して施設を作ることは絶対無いということをお伝えしたい。

以上が、僕が用意した資料の全てである。音楽の話、女子寮の話などで、他の先生方からは補足などはあるだろうか。あるいは質問を待ってからのほうがいいだろうか。

(質問を待つようである。)

最初の投げかけはしたつもりである。ここからは質疑応答という形で続けたいと思う。


細川教授:

 今水津先生のほうから、疑問と言うことで、1~8までご説明いただいた。この中で、納得されたところもあるだろうし、まだまだ分からないところがあるということを考えている方もいると思うので、是非この機会にいろいろな疑問点をぶつけていただければと思う。いかがだろうか。


質疑応答


学生:

大学院油画・版画領域1年です。いろいろ質問があるが、その前に一つ確認をしたいのだが、今説明していただいた内容と、これから質問してお答えいただける内容というのは、今回学生支援センターの主催と言うことだが、これは大学を代表した立場でお答えいただけるということでよろしいだろうか。


細川教授:

学生支援センターはその名の通り学生の支援を目的としている。そういうことから皆さんの疑問にしっかり答えるのが責務と思っているので、これは大学の責任としてお答えしたい。


学生:

では、まず一つ質問させていただきたい。今回の説明会なのだが、開かれた経緯が不思議だと思う。先ほど水津先生から、いろいろ報道があったりと、先生方が大分焦っている、なので急遽こういうことになったとおっしゃられていた。これは焦らなかったらこういう会は行なわれなかったのだろうか。


細川教授:

いろいろ報道されていたが、大学側としてはやはりしっかりしたことを答えなければいけない。いい加減なことを外に発信するというのは許されないというのがあった。大学としてはもう少し早くお伝えしたかったが、皆さんにお配りしたように、これ(リーフレット)も遅い時期になり、配ることになったが、これだけでは学生に十分に説明し切れていないかもしれないということがあったので、より詳しく説明し、正確な情報を知っていただきたい。そういうことなので、そんなに焦ってということではない。今回だけではなく何回でも疑問があればこのような会を続けていくつもりである。その辺は誤解のないようお願いしたい。


学生:

ありがとうございます。


学生:

油画4年です。学生への説明会は機会があれば何回でもするという話だったが、今日説明があるということで、議事録を全部読んで来た。今年度の三月で新音楽棟の建設に決定が下るような予定で話を進めているということになっている。現在二月である。このペースでやるといっているが、現状を知らない学生が多いというのが実際であるし、学生の意見が反映されているとは正直思えない。その辺はどうお考えなのか。


細川教授:

先ほど水津先生が言われたように、これからいろんな話を学生のみなさんと一緒にやっていくということで、あくまでこれは新音楽棟の話である。
新音楽棟のほうは、音楽で担当の先生がしっかり学生とミーティングしながらある程度の選択を成されたということである。


水津准教授:

音楽のほうではどういう経緯で学生への説明があったか。


掛谷准教授:

音楽のほうでは、水津先生も関わってくださったが、三年くらい前からだったと思うがいろんな専攻の学生にその都度、多いときで10ほど、少ないときで5人くらい、もっといたかもしれないが、ミーティングのような形で集まってもらって、先程話があったような連絡室の数だったり、具体的なヒントになるようなことや、学校の中でどんなとこが好きであるとか、どんな風に勉強をしているかといったことについて、何度か意見をもらった。それからこういう会議も各専攻から代表の教員が集まって、委員会という形でやって来ている。それぞれが自分の専攻、私はピアノの専攻なので、機会がある度に練習はどうしてるか?この学校の設備についてどんなところがいいと思うか、どんなところが困っているか、そういうのを個人的に集めたり、という形でやってきた。


細川教授:

音楽のほうもそうだが、最初に(ビジョン検討会が)どういうメンバーかというところで、自治会が出て来たが、自治会が出来た発端は、音楽の大学院の学生が、施設整備に物凄く問題があるということから、是非自治会を立ち上げて欲しいという要望が私のところにあり、その学生が主になって自治会が始まった。それに追随するように、美術の学生が参加していったという経緯がある。ただし、最初の一、二年は音楽の学生がやっていたが、大学院を卒業されてからは弱体化し、そういう情報が入ってこなくなった。それで、皆さんご存知だと思うが、「アイゲイ」という自治会が出している冊子がある。2009年と2010 年の2回出している。その中に、愛知芸大キャンパスに関するアンケートということで、みなさんの目に触れていると思う。自治会もこういう形で問い掛けている。それからその中にも書いてあるが、「キャンパスどうする?いいんかい」というのも立ち上げたと書いてあり、自治会では弱体化したがそういう状況の中でも必死にこういう活動をやっていた事実もある。


掛谷准教授:

先程の話だが、ただこれはお伝えしとかなければいけないが、質問を学生にして、先程水津先生がお伝えした通り、建つのか建たないのか誰にも言えない、何の保障もない状態で、でもこのままじゃ困るからこちらのほうで案を固めていかなければいけない。そういう状態で学生に接するので、具体的な話に持っていくことが出来ないし、そういうところが不透明に見えるかもしれない。自分でもじれったいと思うところもあった。
 そうやって少しずつ情報を集めていった。それから今回の新音楽棟の設計の話が具体的に進み始めたとは、それを前提で集まってもらい意見を聞いたりした。設計図を書いてくれる専門業者の方も交え、そうすることでいろんな角度から具体的な質問が出てくるが、その方にアンケートをまとめてもらったりしながら、学生の意見を吸い上げた。


学生:

今のことでもう一つ質問だが、学生へのヒアリングというのが、自治会のアンケート以外は今の話だと先生が個人的に周りの学生に聞く口頭での質問という形なのか、文章や資料として残っている質問なのか、ちょっと質問というかたで聞いているだけなのかというのでは、反映のレベルとしては違うのではないか。
 後もう一つ、これは質問ではなく意見だが、最初の水津先生のお話で、無い話は出来ないということだったが、それは分かる部分はすごくあるが、決まった後にこういうことをするという事後報告では遅いと思う。建ってから問題があったということでは、計画性のないものになってしまうので、そこは問題があると思う。


水津准教授:

設計というのはいろんな段階を踏んで行うが、大体何かが決まるということになるには、最初企画的な設計があって、基本設計というものをやって、それはお金がこのくらいかかりそうだというのを見極めるのだが、ただその段階ではあまり細かいことまではわからないので、その建物が本当に必要なのか、意義などを詰めていく段階で、このくらいお金がかかりそうな話を進めていいのかというやりとりがある。良いという話になると、具体的に面積だとか機能だとかを落とし込みながら、どのくらいの建物が必要なのかというのを作っていく。そういったことをやっていき、試算をして、どのくらいかかるという話として向こうが受けてくれないと事が始まらない。なので、最初は僕等も、どうしたいか、何が必要かというのを一方でやるのだが、何が実現可能なのかという話も一方でやらないと、必要なことだけ話しても実現可能に結び付かないという問題が設計の現場で起こる二重構造である。僕も時々、学生と何が必要なのかの話だけをすることはあるが、それは絵空事に終わってしまうので、それを真剣に実現させようと思うと何が可能なのかというのを、お金を付けて実際にやってくれる人達と摺り合わせをしていく段階があって、そこは正直学生と話をするような内容ではない。そこが突破できて初めて、じゃあやるぞ、じゃあどうすればいいという話になっていく。確かにわかりにくい部分が途中にある。ただなるべく僕等としてはうまく立ち回るしか無い。

いろんな事情が絡んでくる。万博やビッグイベントがあるとそっちに予算が取られてしまうので、愛知芸大をやると言っていたのにやらなくなってしまうだとか、リーマンショックでお金が無くなってしまったから、またやらなくなってしまったり、いろんな事がある。やるといっておいてやらなくなるのはよくある話である。だから、本当に最後、事業が予算化されて、県議会を通って、初めて役に立ったことになる。僕等もそれが決まるまで本当に不安である。それが決まったら本当にやるという話になるので、大体の予算規模も決まるし、やりたい内容ももう決まっているから、どういうふうにやるのか安心してみなさんと一緒に議論できる。実施設計は後の段階だから、設計に当然盛り込んでいくことは出来る。ですから貴方がたのいうように、既に出来上がったプランで、事後報告ではないか、ということはない。それが終わった後に実施設計をやるのだから、十分に反映できる。


学生:

そのためのビジョン検討会ということでいいだろうか。


水津准教授:

ビジョン検討会はそのもう一つ前の、全体をどうすべきか、という話を今やっている。この全体の方針を決めないと県も不安である。大事な建築資産だという認識は高いので、おかしなことをやると周りからクレームが付いてしまう。そうすると、ビジョン検討会で必要な検討をしたし、きちんと守るべきものは守ったという全体のプランニングがあって、それからここの事業になっていく。ビジョン検討会のあとに、美術のほうも今後必要な整備は出てくるだろうが、それもビジョン検討会を尊重する形で計画が実行される。これも実行されるまでいくらかあるが、基本の方向性はこのビジョン検討会で決まると考えている。


学生:

今お話が出た実施設計だが、新音楽学部棟の実施設計費が県の予算で組まれていると聞いたのだが、正確な金額は覚えていないが、一億円ほど組まれているということはもう聞いている。それを取り消すことはまず無いのだろうか。これからもう少し議論を続けるということで、その設計が、変わると言うことは無いのだろうか。


水津先生:

設計が変わるというのはどういうことか。


学生:

先ほど、植生調査をしていると言う話だったが、僕は前回の検討会を傍聴させていただいたのだが、その後の部会のほうで、突然水津先生のほうからこの話が出てきて、これから植生調査をやります、と。今年度から予算が20万。次年度は700万かけてやるという事で、設計費がすでに一億円と組まれているのに、その後になって植生調査を始めると言うのは、その調査の結果、そこに建てるのはまずいと言うことになった場合、これはどうなるのだろうか。


水津准教授:

植生調査に関しては、先ほども言ったが、建てるのがまずいかと言う、選択肢としてはいろんな選択肢がある。何が植生として重要なのかということが見てみないと分からないので、今は実施設計をやっているが、例えば地面に接する部分をどうするべきなのか、構造のベースをどういう風に考えるべきなのかを変えることによって対処できるかもしれない、それは詳細なところで変わる可能性はもちろんある。ですから実施設計と言うのは基本的には契約図面を書いてそれに対してお金がはっきりと、建設費がそれに試算できる図面を書いていることになる。なので、基本的にはその通りに作られるのが契約図面なのだが、実際に工事が始まってから問題が出ることも現場でも良くあることで、そのときはそういう問題に対処しなければいけないということなので、もう始まってるから植生調査をやってもしょうがないと言うことではなくて、必要なことはやはりやらなければいけないし、なぜもっと早くやらなかったんだろうとは思うが、来年度に予算化されていたというのはあるが、それ以前にもっと早くやれることがあるのであればやろうということで、そういった業界でのコンサルタントと話をしたら、この冬の期間にやるべきことはあると、それが来年の調査にも生きることになるとが分かったので、じゃあやろうということになった。そういういきさつである。


学生:

ありがとうございます。



学生:

日本画3年です。私は今日初めて詳しく聞いたが、今の大学のほうはほぼ壊さないで行くのだろうか、それで決定されているのだろうか。


水津准教授:

ビジョン検討会で検討されている内容にしたがって言えば、今ある建物はそれを最大限壊さないで使えるために必要な工事はいろいろ工夫して使い、それでも用意できない機能やスペースに関しては新築だったり増築だったりでさらに増やしていく考え方になっている。


学生:

私は別に壊すだとか増やすだとか言うつもりはないし、なるべく設備はいいほうがいいなとは思っている。まず私たちが使っている校舎がどうしてここまでぼろぼろと言うか、使い勝手の悪い状態になっているのだろうと思う。まずレンガの溝が深く、ヒールが引っかかる、挟まるなどして躓いたり転んだりすることがある。あとアトリエの壁がひび割れてたわんでいて、自分のほうに迫ってきている。あとは壁がはがれていたり床がめくれていたり、窓は汚れで曇って向こう側が見えない。歴史的な建物だと言われていたのに、なぜここまで見栄えの悪い状態で放置されているのかがきになる。すごく気に入っている建物があり、もっと気持ちよく過ごしたいと思うのだが、そういう工程での話し合いはどうやってされているのか。


水津准教授:

メンテナンスが悪いと言う指摘はたくさん受けている。それは、その通りで反省すべきことだと思います。これは、やはり今まで努力が足りなかったと思う。先ほど言われたように、変形しているだとか、危険な場所があるかどうかの確認をしなければいけません。これから、今の建物を仮に修繕をしながら使うにしても、安全に楽しく暮らせないと建築ではないので、そのために、耐震診断というものをやったが、これは、構造形式を見て今の基準に合っているかの診断をしただけなので、もう一つはコンクリートそのものが劣化してないだろうか、中に鉄筋が入っているが、そういうものも大丈夫か、という確認を、これかやることになる。それは、「コア抜き」と言って一部コンクリートを抜き取り、大丈夫かそうでないかの判定をする。それによってどういう工事をやるか、どういう補修をやるかが全部変わってくるので、それをやって初めて安全かどうか分かるし、それをやった上で表面をきれいにしたり、使い勝手を良くしたりする修繕をやる予定なので、そういった手順を踏んで、快適な環境が作られるように努力をしたいと思う。


学生:

もし参考になるようならば、私たちで、学生の意見、細かいことだが、ドアノブが動かないとか、つまずく溝があるとか、そういうことをまとめられたら、ビジョン検討会に提出して、参考になることはあるだろうか。


長谷教授:

施設整備委員長の長谷だが、今の細かいお話は、ビジョン検討会ではなくて、大学の施設整備委員会がやっている。施設整備委員の先生は各専攻に一人ずついらっしゃる。その先生方に専攻ごとにまとめていただいて、どういうところを整備していくかと言うのを毎年やっている。

僕は6年前にこの大学に来て、建築はすばらしいのだが、施設、設備等は非常に老朽化している。経緯を調べてみるとほとんどメンテナンスにお金がかかっていないということで、5年前に、施設整備委員長としては、資料館にエレベーターがなかったのだが、施工時にはシャフトだけが作ってあって、42年間エレベーターが付いていなかった。下の収蔵庫にある彫刻作品など、何百キロもあるものを学生たちが上げている。そういう危険な状況はまずいということで、細かいところではあったが、まずそこから始めて、各アトリエにエアコンを設置するとか、トイレを一つずつ改修していると。年間に使える施設整備のお金が決まっているので、順番をつけてやっている。

一方で、皆さんもご存知のように、7月の末に行なわれるオープンキャンパスのときには、高校生が来るが、やはりトイレを見てこんな学校来たくないというような話が非常に多かったものだから、まずトイレを整備しましょう、と、そういうようなことから始めているので、今学生生活を送っている上では不具合なところがたくさんあるのだが、バリアフリーも全然未完成であるし、やらなければならないことはたくさんあるのだが、予算的には限りがあるので、段階を追って整備をしていく。

そういうことをこの6年間ずっとやってきているので、ドアノブの問題も、窓ガラスが割れていたり、サッシが開かないという、問題はたくさんある。それはやはりどんどん整備していかなければいけない。ということは、一方で、建物をきちんとメンテナンスしていくことが前提で、壊すと言う話が前提では予算も下りない。僕らとしては建物をきちんと保存、修復をして使っていくんだと。やはり快適な場所もたくさんあるので、そういう場所はより魅力的にしていこう、というようなところで、バリアフリーなども、今管理棟と講義棟を結ぶところに、スロープがあるが、あれも5年前に作った。今からすると、40年前からああいった石垣があって、スロープがあるように見えるが、あれもきちんと設計をして、景観を合わせて整備をしている。だから何も今までメンテナンスをしていないと言うわけではない。相当のお金や労力もかけて、使い良いキャンパスにしているという努力は認めていただきたいと思う。


学生:

この前体育館が立派に張り替えられて、とても感動した。これで最終的に窓がぴかぴかになったらうれしい。ありがとうございます。



長谷教授:

後、雨漏りがどこの建物もひどいので、次はそこを修復しなければいけないかなと思う。


白河准教授:

今の学生の質問は、つまり全部施設整備委員会がそういう細かい少数的なものをちゃんと把握しているかどうかと言うことにも繋がるので、学生でまとめてもらえるんだったらそれは良いのでは。


長谷教授:

それは当然学生の目で、こういうところがやられていない、もっとこういうところをきれいにしてもらえれば見栄えが良くなるんじゃないかとか、僕らの目の届かないところもたくさんあるので、逆にもっと、資料をまとめていただくなり、先生なり、大学に提案していただくというのはどんどんやっていただきたい。


学生:

力の限りやらせていただきたい。


長谷教授:

よろしくお願いします。


細川教授:

先ほど、アンケートが自治会だけでは手薄じゃないかという発言があったが、実は2008年に学務課が主催で「学生生活アンケート」と言うのをとっています。その中に、施設のこと、整備のこと、学生からの要望がかなり入っておりまして、もし内容をご覧になりたければ、学務課に来ていただければ資料がある。そういうこともやっておりますし、今整備のことがありましたが、部活のほうからも要望があったりして、今度クラブの部室等もドアを変えたりガラスを変えたりもし、3月2日には講義棟、及び小講義室のテーブルをすべて三人がけの新しいものに換えると言う計画もありますし、そういうふうなことで、努力をしていると感じていただければと思う。


水津先生:

まったく努力していないと言ってしまってすみません。


学生:

今の施設整備の話なのだが、普通の感覚であれば、耐震補強が最優先されることではないかと思うのだが、前回の検討会で配られた日建設計さんの調べた資料で、最小Is値が0.6以下だと耐震強度に問題があるというのだが、どういうことなのかは詳しくは分からないが、それで見ていくと、当てはまるのが、講義棟、音楽学部棟、管理棟、大学会館、デザイン棟、閲覧室棟(図書館)、芸術資料館となる。音楽学部棟は新築が決まっているが、音楽学部棟よりも数値が低いが、講義棟以外全てとなっているのだが、これはなぜこちらが最優先ではないのだろうか。学生向けのリーフレットを見ても、音楽学部棟の整備が最優先されることであると書かれているが、人命に関わることではないのか。これだけ、東海沖地震が来るかもしれないと言われているこの地域で、なぜこれが最優先ではないのだろうか。


水津准教授:

耐震に関しては調査をやっており、それに対する補強工事というのもやっている。それによってすでに、危険であるところの対応はしたのだが、Is値の算定に関しては、名古屋大学の先生からも、構造形式をあるソフトに入れると、それに対して数値が出てくると言うことらしいが、ただ、入れ方によって数値が変わるということがあり、それは再度確認したほうがよいと言うのが一方であるのと、低い数値を示したものに対しては、一応県にそういう要求を出している状況になっている。我々としては早く何とかして欲しい状況なのだが、先ほど言ったような、物事が決まる順番がうまく回っていかないと進まない。一番低い数値を示したのは図書館だっただろうか。


寺井教授:

図書館が現在一番Is値が低いものである。県のほうにいろいろお願いしている。ただ、実際、県下にはこういったIs値の低い建物がいろいろあるので、それを、やはり財政状況をかんがみて、順番に建て替える、又は補強していくしかない。我々としては是非直してもらいたいとは思っているが、県の意向を待つというのが実際である。


学生:

県の意向としては、耐震補強よりも音楽学部棟新築を先に認可した。そういうことでよろしいだろうか。


長谷教授:

音楽学部棟だけなどではなくて、並行的に整備をするということになっている。今水津先生から説明があったように、数値の捉え方が、逆に言うと、吉村建築と言うのは構造的に非常に特異であり、これは先生もおっしゃっていて、普通の構造計算ではすべてだめになってしまう。だが、基本的にはきちんと構造が成り立っているので、耐震構造がなってないということは無いんだと先生はおっしゃっている。その辺も含めて、名大の谷口先生もおっしゃっているが、コンクリートを抜いて、中がどうなっているのかと言うことをきちんとやらなければいけないということで、ビジョン検討委員会でもそういうアドバイスを頂いているので、早急にそれはやっていただきたいということを申し上げている。コンクリートを抜くことで、中の鉄筋もどういう状況なのか、またコンクリート自体も、アルカリが筋状に上がっているので危ないのではないか。こういうことは抜かないと分からない。図面判断だけではできないので、谷口先生も早くやらないとだめだと言われている。なので、早急に、もう話をしている最中である。僕らも当然同じように心配している。この前も、今図書館長が言われたように、図書館が一番低いと。しかし、そんなことはありえないと。そういっている建築家もいるわけである。あれだけの構造を持っていて、あんな数値が出るわけが無いと。それも抜いてみなければ分からないので、それを早く進めるということは約束できると思う。


学生:

ありがとうございます。


白河准教授:

今の学生の質問だと、学生の身の危険になるようなことが優先ではないかということだと思うが、例えば、今の話は建築の話だけだったが、愛知芸大にはアスベストが塗ってある場所がたくさんあって、それは何年も前に問題になり、いろんな県の構造とか、事務の組織の問題とか、いろいろなことがあって、30年くらい経つと塵肺などの問題が起こることがニュースなどでも報道され、その予算をすぐにつけなければいけないとなった。そのときは、県のルールや愛知芸大の事務のルールを無視し、先生たちが直訴し、今でも継続している。ものすごい修繕予算で、そこで予算を食っているというのもある。もちろん耐震補強を早くすると言うのもあるが、大学としては、磯見学長以下、何が最優先で直していかなくてはいけないのかというのがあり、先ほど彼女が鍵のこととか、身に触ることはすごく気になると思うが、アスベストがあったら元も子もないし、もしくは地震があって倒れてしまってもいけない。そういうことを、県のルールに乗っとってやる時もあれば、そうでない時もある。本当に危険があるときは、先生たちもがんばってやっている。なので、もう少し対話しながらやっていくというのも大事だと思う。これは学生にはよろしくお願いしますとしか言えない。


長谷教授:

今、白河先生がおっしゃったように、アスベストの問題と言うのは、この5年間、大変な経費を使っていて、総額でいくと7、8億使っているのではないかと思う。去年も奏楽堂のアスベストを除去している。そういう意味では人命第一という観点を僕らは持っているつもりである。そういう予算がつくときも、僕も副知事にまで直訴しにいっているし、そこで予算を何とか獲得してきたということもあって、やはり僕らの裏には学生がいるという考え方でいろんな整備をやっている。なので、学生をないがしろにして何か勝手にやっているということは一切無い。よろしくお願いします。


学生:

日本画4年です。耐震強度の話ではないのだが、新音楽棟ができるという話で、その中に管打楽器の部屋がないと聞いている。オーケストラで一番楽器の移動が大変なのは、管打と聞いているし、管打の友達はみんな新音楽棟に移れると思っている。その辺はどうなっているのか聞かせていただけるだろうか。


戸山教授:

管打のコースは開学して17年後に新しくできた。それまでは管打楽器というのは無かったのだが、つまり今彼らが毎日勉強している建物は、比較的新しいものである。なので、管打楽器はとりあえずあそこに残ってやっていくということは、すでに管打の先生方にも伝わっているし、それが学生に伝わっていないと言うのはちょっと考えにくい。どうしてそういうふうになったのか、僕には分からない。ですから今回の新音楽棟には、管打コースは入っていない。今僕らが音楽学部棟と呼んでいる中の、弦楽器、声楽、ピアノ、作曲が新しいほうに移る。管打というのは音楽の中でも一番音が大きくて、どちらかといえば、遠慮なく演奏できるので、管打楽器の先生たちはあちらに残ることを喜んでいる。学生にそれが伝わっていないと言うのはちょっと僕には分からない。


学生:

でも実際に何人かの友達は知らないといっている。


掛谷准教授:

知らせてあげないといけない。それとさっきお話に出た、奏楽堂に楽器を運ぶのは管打楽器が多いのではないかというものだが、弦楽器のコントラバス、ハープというのも、週に1回から2回くらい手で運んでいる。今回直接的に対象になるのは、その二つの楽器が非常に大きいので、そのことも考えて、奏楽堂からブリッジをまたいだ一番近いところに、その二部屋を用意するといった形で配慮している。それから、管打楽器や、音楽のいろんな設備、コースというのは、まとまってあるべきじゃないかというコンセプトがあったのだが、実現にあたっては、いろんな問題、いろんな要素が関わってきて、今管打楽器いる建物や大合奏室がある建物は、平成元年に建ったものなので、そこを同行しようという話にはどうしてもならなかった。いろんな案があったが、今回の形でのみ計画が認められたと、私は理解している。



細川教授:

管打楽器の学生はみえるだろうか。(みえないようなので)日本画の学生の方は、今の答えでよろしいだろうか。


学生:

ありがとうございました。


掛谷准教授:

一つ思い出したが、業者の方を交えての学生からの意見を聞く会のとき、2年前だったか、去年だったか、私も出席したときに、管打楽器の学生も一緒に来てもらっていて、そこでもいろいろ意見を聞いたが、そこにいた彼らにはそういう認識は伝わっていたと思う。しかし、今の話は聞けてよかったと思う。今回の内容をちゃんと知らせなければいけないなと思う。


学生:

学校の設備を不満に思っている学生はたくさんいるが、こういう会が開かれていることを知らない学生もたくさんいる。実際、今日は音楽学部の新築の話なのに管打の人は誰もいない。みんなの施設問題についての意識が少し低いと言うのもあるが、この会を知らせる紙も大学内にいきなり張られていて、会議自体を知らなかったり予定が合わなかった人もいると思う。今回の主題は音楽学部のことだけど、美術学部の学生も他人ごとではない。きちんと知りたいし、少しでも納得出来れば、なぜ音楽学部棟が美術より先に新築されるのかなどの不満の声もでないと思う。ユニパといった、みんなの携帯に必ずメールがいくようなもので情報を伝えて欲しい。お願いします。


細川教授:

その点はこちらも反省している。掲示したのが月曜日の午前中なので、皆さんに伝わる時間が少なかったと思う。また音楽と美術のタイミングを見計らって、学生の皆さんが集まれるよう、先ほど言われたユニパなども通して、説明会をやっていきたいと思う。


学生:

先ほどの管打のことで、戸山先生にお聞きしたいのですが、先生は検討会の中でご自身で、現在の音楽棟と奏楽堂は、改修では教育施設として使い物にならない、という発言をされているが、使い物にならない施設で管打はやってくれということなのだろうか。


戸山教授:

管打棟に関しては、僕はそういうことは言っていない。管打棟は新しくできた棟なので、我々が今使っている棟よりも、遮音性や他のことに関してもずいぶん考えられて作っている。でも今は遮音性には問題があるといわれているが、それに関して僕はそういった発言をしたことは無い。

学生:

管打棟と音楽学部棟は別物ということか。


戸山教授:

そうです。立てられた時期も違う。


細川教授:

それでは、18時からということで2時間たったが、今日の話を聞いていただいて、また皆さんいろいろ考えたかも分からない。それらを持ってきていただいて、またこういう機会を作りたいと思っている。学生の皆さんに正式に、こういう形でアピールしたのは初めてだったので、こちらも不手際があって申し訳なかったと思う。今後とも、学生のことを忘れてはいない、メインに考えているということをしっかり理解していただいていきたいと思っている。このあたりで説明会を終えたいと思っているが、いかがだろうか。


学生:

今聞いたばかりで、自分の意見がまとまっていない人もこの中にたくさんいるし、今日来れなかった人もいる。何か、メールアドレス等を作っていただいて、私たちの意見をちゃんと言える場所を用意してもらえないだろうか。発表するのがすごく苦手な人も美術をやっている中にはいる。


細川教授:
 わかりました。出来るように努力する。


学生:

同じことなのだが、学生がどこで意見をいえば良いのかということで、前回の検討会で学生向けリーフレットが作られたことが報告されたときに西澤委員から、そのことについて一言リーフレットにあったほうがいいのではないかという指摘があって、磯見学長も、そうだと思うので検討したい、とおっしゃられていた。これは次も発行されるとのことなので、次は是非加えていただきたい。


細川教授:
 それもよく考えたい。


掛谷准教授:
 ちょっと戻るのだが、菅打楽器の話が出たので、これだけお伝えしておきたい。

管打楽器コースのことについても、廊下で五人も六人もトランペットを吹いて、コントラバスのある廊下に行くと、ブワーッと唸っている。そういった現状は私たちも見ているし、先ほど言ったように、何度もいろんな人から意見を聞いている。それを基に管打楽器のセクションとかでは、こういった数やもっと広さがいるのではないかとか、そういうこともずっと考えて積み重ねてきている案もある。それが今回のように現実的に動き出すというのが見えてきたら、もっと詳しい形で皆さん学生からの意見を集めていくことになる。現時点ではそこまでのことになっている。なので、何もしていないのではなくて、管打楽器も含めて音楽全体のいろいろな案が、20年くらい前から先生たちがやってきたものがあって、いろいろなものをうまく考えるためにも少しずつ形を変えていくのだが、計画案として積み重ねている。


細川教授:

ありがとうございます。それではこれで、第一回目の施設整備説明会を終わらせていただきたいと思う。次回、また相談をし、タイミングを見てこういう会を開催したいと思う。長い間どうもありがとうございました。

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