愛知県議会議長宛 まぼろしの陳情書
愛知県議会議長宛 まぼろしの陳情書
2010/11/30
まぼろしの陳情書
この陳情書は2010年11月30日に愛知県議会あてに出しましたが、書式が「お願い」ということになっていない、という事務局の見解により受け付けられなかったものであります。皆さんの判断と意見の材料に加えていただきたいと思い、ここに公表します。
愛知県立芸術大学についての陳情書
愛知県知事及び愛知県議会議員の皆様に訴えます。
突然陳情書をお出しすることをお許しください。私は愛知県立芸術大学施設整備ビジョン検討会に出席しているものです。検討会は多くの問題を抱えています。検討会にこちらから提出している意見書が取り上げていただけない状況ですので、ここに述べさせていただきます。(一部に、県と県議会に対してではなく、関連がある問題について、大学法人に対しての質問も含んでいます。)
1.県(県民生活部)は、愛知県立芸術大学施設整備ビジョン検討会を、2010年7月より、大学法人の主催で開催することを大学法人に対して進言しました。何故、2009年度に新音楽学部棟の基本設計を発注し、2010年3月議会に新音楽学部棟の実施設計料の予算を提出し、それが議決されてからあとで、ビジョン検討会を開催することにしたのですか。
2.県は、「ビジョン検討会は、決定していることを報告して、委員各位の意見(賛成であっても反対であっても)を聞くためのものであって、そこで検討された結果を実際に反映するものではない」という考えは正しいと思いますか。
3.県民生活部学事振興課は、ビジョン検討会に、オブザーバーとして参加していますが、何故、第5回ビジョン検討会で、3月に議会で可決したという(議会に対しての説明はなかったが)、女子寮と外人公舎の解体を、外部有識者も含まれている検討会で、「取り壊すことでご了解いただけたか」と了解を求められたのですか。
4.同上学事振興課は、私(奥村)が、それまで申し上げてきた「外人公舎と女子寮を壊さないでください」「新音楽学部棟を、あの位置に建てることについては自然保護の立場及び当初の全体計画の中で考えるべきで賛成できません」という意見を9月3日に変えた、と言われましたが、それは事実に基づいていません。何故私に確認されないのですか。
5.同上学事振興課は、9月9日に私が知事にお出しした手紙(秘書課の方からは、担当部局が「要約」して知事に報告する、ということをうかがいました)を、本当に知事に渡して下さいましたか。知事は、お読みになって下さいましたか。何故返事をくださらないのですか。
6.同上学事振興課長は、上記手紙についての質問を9月15日付でくださいました。それについての9月16日の私の質問に何故答えていただけないのですか。
7.県は、女子寮を壊す理由として、「県は職員の福利厚生施設を学内に置かない、ということには該当しない」し、「耐震にも問題はない」が、大学側が「いらない」というから壊すしかないという説明です。(現状は新学生寮に職員の寮も、また作っておられます。)実は学内(油絵科)から、女子寮を転用して使いたいという希望が出ていると聞きました。そのことについて県は、なにも聞いておられないのですか。もしそうだとすると、美術学部長は何故その希望を県に伝えなかったのですか。
8.県は、実施設計の予算が議会を通ったとはいえ、未だ工事内容が議会で未承認であるのに、まだまだ使える県の資産、女子寮と外人校舎、を何故今、捨て去らなければならないのですか。今まで手入れを怠ってきた「つけ」を、県税で壊すことによって処理するのは筋がとおりません。何故、丁度あき家になっている今、手入れ改修をして転用して使おうとしないのですか。
9.県は、2006年に県が出された「大学改革基本計画」の中にある「本県は、老朽化した芸術大学校舎の改修について、厳しい財政状態を踏まえ、年次計画を作成の上、貴重な芸術的資産の価値を損なわないことに配慮し、計画的な整備を検討する。」をもとにして対応されているとのことですが、現在のビジョン検討会において「検討?」されているものは、今の各建物を存立させる、その全体構成の基本となっている、当初のマスタープランそのものの芸術的資産の価値を全く無視しています。根本的に「大学改革基本計画」の不履行という誤りを犯していると思われますが如何ですか。
10.文書についての3ツの質問をします。
イ.ビジョン検討会は公開されています。議事録を作って出席委員が訂正をします。そこまでは良いのですが、訂正したものを直さないで、ホームページに載せているのは何故ですか。
ロ.2009年初頭、美術学部長が私のところに見えたときに持ってこられた書面に、基本設計の予算額が書いてありましたが、入札等の手続き以前に公開されてもよいものであったのでしょうか。
ハ.2月19日に知事のところに吉村順三記念ギャラリーのメンバーが署名提出にうかがいました。その折の、県がまとめた会話の記録が、のちに私に届けられました。県の内部文書を外部の個人に渡されてもいいのか、ということもありますが、その時、県民生活部長の重要な発言がありました(それは、「法人が県に平成20年3月11日に出した“芸術大学整備基本計画策定支援報告書〈マスタープラン〉”は、今のマスタープランではない」というものです)。それがその記録には載っていません。それを何故記録から外したのですか。また<今のマスタープランではない>ということばの意味も不明なので、今のマスタープランが何なのかを示してください。参考に申し上げますと、同部長の3月の県議会での答弁では<この“マスタープラン”は、公立大学法人が独自に試案として作成したもので、設立者である県の整備計画として認知されたものでない。従って今回の音楽学部棟の整備も、それに基づき進めているものでない>と言われています。しかしその後の経緯を見ると、法人の要求通り緊急対応という名目で新音楽学部棟計画に着手しています。県が独自に2005年・2006年に進めてきた改修計画を、法人の要求通り改築計画に変更して進めてきています。
11.今回の愛知県立芸術大学の施設整備を考えるに当たって、大学法人は大学の中に建築科および施設課が存在しないために、外部の大手設計事務所に計画検討の支援を相当の費用を払って発注しています。その設計事務所が、他社と競ってプロポーザルに参加し、選ばれて基本設計を受注しています。そしてその計画の内容も、その設計事務所が大学法人の施設整備委員会で行った支援設計の内容そのままです。これが県が行う公平な選考方法だと言えるでしょうか。また、検討会において参考人として唯一発言を許されるのが、ここでは法人の事務局に属しているという、その設計事務所の方でした。ほかの委員には、発言できる参考人を指名することは許されないといわれました。このような流れは、当然のこととして県も県議会も認めておられるのでしょうか。
以上
平成22年11月30日
〒176-0023 東京都練馬区
奥村 昭雄 印
愛知県議会議長 殿