女子寮,外人校舎建築3Dモデル実習の提案

2010/09/16

愛知県立芸術大学美術学部デザイン専攻環境デザイン野田研究室 へご提案 (ドラフト2010.9.16 )

三ケ峯旧女子寮および外人公舎の建築 3Dモデル及びデジタルアーカイブ製作


研究概要

取り壊しが決定している愛知県立芸術大学三ケ峯旧女子寮および外人公舎について 現存する図面および実測をもとに 3D CADを使ってバーチャルビルディングとして残す。建築概要、写真データもあわせて“失われた吉村順三建築作品 デジタルアーカイブ”を整備公開する。


研究目的

1・環境デザインコースにおける3DCAD授業導入の必要性

設計の BIM化により、設計、施工計画、メンテ、その他建築のすべてのプロセスにおいて3DCADを使うのが一般的になりつつある。3DCADは従来の “プロジェクトを CADオペレーターが清書してデジタル化する道具” “パースやレンダリング等プレゼン用の表現に使われる道具” ではなく、スケッチ、模型同様アイディアの広がりを助けるものとして デザイナーも使いこなす事が必要な道具になってきた。

環境デザインコースでは、現在 3DCADの授業は行われておらず、学生が独自でソフトを探し独習している。専門の講師による無駄のない学習方法でバーチャルビルディングを描いてみることで、3DCADを体験する機会をつくり

BIMを理解させる。

BIM = ビルディングインフォメーションモデリング

2・失われる吉村建築を知る、残す

第五回愛知県立芸術大学施設整備ビジョン検討会(2010.9.3開催)で平成22年度中に三ケ峯旧女子寮および外人公舎が取り壊されることが明らかにされた。この決定に対し、空間デザイン、建築方面で活躍する人材を数多く輩出してきた本学環境デザインコースとして、モダニズムの巨匠、吉村順三の作品を大切に思い、理解し、何かのかたちで後世に残すことは当然研究されるべきテーマであり、義務とも言える。

トレース、実測は、空間や構造の理解、図面表現、など空間デザインの勉強の基礎として長年行われてきた。吉村建築のデジタルアーカイブ整備のためのトレース、実測,3D図面化は、空間デザインを技術的に学ぶために、モダニズム建築を歴史的に学ぶために、建築と景観を感覚的に学ぶために、優れた研究テーマとなるばかりでなく 吉村建築の理念の理解と継承として本学のみが取り組めるテーマである。


確認事項

1・吉村奥村事務所の許可及び 図面、竣工写真のコピーの入手(図面は大学にある?)

2・現場の安全性の確認、作業中の管理責任者

3・公開する場合のサイトの管理

4・大学で使えるパソコンの数、種類、環境デザインの学生が専用で使える時間の割当

5・メディア、プロダクトデザインでどのようなソフトを使っているか? ソフトは、各コース共用か?


参加学生数

この規模の建物では、一つの建物を分担して描く必要がないので、CAD作業としては1人で全てを描く。複数の学生が同じものを描くことで技術的な意見の交換ができ、表現の違いを楽しめる。実測は、共同で行った方がよいので4人から6人程度からはじめられる。 使用できるパソコンの数による。


(オマケ)三ケ峯旧女子寮リノベーション課題

バーチャルビルディング製作後、CADソフトを使って学生にリノベーション提案をしてもらう。バーチャルビルディング製作過程では、躯体と間仕切りをわけるので躯体だけを立体で見る事ができ、リノベーションでどれだけ自由な計画か可能か実感できる。教員は、この作業で学生が何を感じたかを知る事ができる、もったいないと思ったか、ただ汚い、使い物にならないと感じたか? 新しい可能性があったか?


愛知県立芸術大学非常勤講師 篠田 望

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